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HP DesignJet T830 MFP - ネットワークフォルダー(共有フォルダー)へスキャンイメージを保存する

概要

  • HP DesignJet T830 MFP(以下、本製品)でスキャンされたイメージはUSBフラッシュドライブまたはネットワークフォルダー(Mac OSでは共有フォルダー)に保存できます。USBフラッシュドライブは準備が必要ありませんが、ネットワークフォルダー(共有フォルダー)へのスキャンは以下の方法で設定されるまで機能しません。

    補足:
    スキャンしたイメージは、本製品からメールで送信したり、内蔵WebサーバーのWebスキャンツールを使用してPCへのスキャン、あるいはプリンターをスキャナデバイスとして利用し、PCへイメージを保存 (Windowsのみ対応)することも可能です
  • 本製品は、NTLMv2ベースの認証を使用して(クライアントとして)ネットワークフォルダー/共有フォルダーにアクセスします
    セキュリティ上の理由のため、NTLMv2を使用してユーザー資格情報を公開するのが望ましくない場合は、本ドキュメントで説明するネットワークフォルダー(共有フォルダ)へのスキャンを避ける必要があります

    補足:
    内蔵Webサーバーのアクセス方法につきましては、ユーザーズガイド第4章「内蔵Webサーバーへアクセスする」の項目をご確認下さい
  • Windows、MacOSへユーザーアカウントを新規で追加作成する方法については、各OSメーカー(Microsoft様、Apple様)へお問い合わせください


    補足:
    Windows8.1、10ではMicrosoftアカウント、ローカルアカウントという大別がありますが、本製品のためだけのユーザーアカウントであれば、ローカルアカウントをお勧めします

A. Windows でネットワークフォルダーの準備

  1. ネットワークフォルダーを設置するコンピューターに新しく「scanner user」というアカウントを作成します
    既存のユーザーアカウントも使用できますが、新規作成をお勧めします
  2. ネットワークフォルダーにするフォルダーを新しく作成します(既存のフォルダーを使用しない場合)
  3. ネットワークフォルダーにするフォルダーを選択し、マウスの右ボタンをクリックして、コンテクストメニューを開きプロパティを選択します
  4. 共有タブの詳細な共有を選択します
    (この例ではScanFolderという名前のフォルダーを用いています)
  5. このフォルダーを共有するにチェックを入れてから、アクセス許可(P)をクリックします
  6. 手順.1で新規作成/定めたユーザーアカウントに対し、
    このフォルダーへの読み取り/書き込みのフルコントロールが設定されていることを確認します
    下段で、フルコントロール許可にチェックを入れます
    (あるいは対象とするユーザーを含むグループに対し、フルコントロール許可を設定します)
  7. もし共有するフォルダーのプロパティにセキュリティタブがある場合は、
    セキュリティタブでもそのアカウントに対してフォルダーへのフルコントロールを設定する必要があります
    グループ名またはユーザー名の一覧からスキャナユーザーを選択し、設定します
    NTFSのようなファイルシステムのみこの設定が必要となります

    これで 、「scanner user」というアカウント名を名乗れば、このネットワークフォルダーへのアクセスとファイルの書き込みができるようになりました
    手順.1で既存アカウントを使用することにされた方は、そのアカウント名となります

    次に、プリンターからスキャンしたイメージをフォルダーへ送信するため、作成したネットワークフォルダー/共有フォルダーとユーザーアカウントを本製品に登録する必要があります。
    以下のドキュメント内リンク、項目 C. を参照ください。

B. Mac OS で共有フォルダーの準備

  1. 共有フォルダーを設置するコンピューターに新しくユーザーというアカウントを作成します
    既存のユーザーアカウントも使用できますが、新規作成をお勧めします
    (このドキュメントでは、MacBook Pro というアカウントを使用しています)
  2. コンピューター上でフォルダーを作成するか、フォルダーを選択します
    デフォルトで、Mac OSにはこの用途に適した「パブリックフォルダー」があります
  3. システム環境設定を開き、共有アイコンをクリックします
  4. 以下の画面内で、手順2のフォルダーを共有フォルダーとして登録し、
    手順1のユーザーアカウントに読み取り書き込みのアクセス権を設定していきます
    下図を参考に手順.2 の共有フォルダーを登録してください
    また、登録した共有フォルダーを選択すると、一番右の“ユーザ”欄に各ユーザーアカウント、グループが持つアクセス権が表示されます
    “読み/書き”、“読み出しのみ”、“アクセス不可” が選択できますので、
    上下の矢印ボタンを押して手順1のユーザーアカウントを “読み/書き” に変更します
  5. オプションボタンを押します
  6. 「SMB(Windows)を使用してファイルやフォルダを共有」にチェックを入れてください
    また、下段のアカウントの欄に手順.1のアカウントが表示されていること、“入”にチェックが入っていることを確認してください
  7. 完了ボタンを押します

    これでファイル共有とWindows共有が可能となりました
    設定したユーザーアカウントを名乗ることでフォルダーにアクセスし、ファイルの書き込みが可能になっていますので、次に本製品に、このユーザーアカウント情報を記録させ、共有フォルダーへスキャンしたドキュメントを送信・保存できるようにします。
    以下の項目 C. を参照ください。

C. 作成したネットワークフォルダー/共有フォルダーとユーザーアカウントを本製品に登録する

  1. プリンターの内蔵Webサーバーのホームスクリーンで、ネットワークフォルダーにスキャンのタブを選択します
  2. 画面左端に「ネットワークフォルダーにスキャン」のメニューがあり、その内の「ネットワークフォルダーのセットアップ」選択します
    共有フォルダーを設定するため、一覧表の左上にある新規(人型のマーク)のボタンを押します

    補足:
    もし既にネットワークへフォルダーの設定をプリンターに行っている場合は、共有フォルダーの変更が必要となります
    編集ボタンから共有フォルダー設定を変更します
  3. 手順.2で定めたフォルダーの名前とネットワークのパス(ネットワーク経路)を入力します:
    (このフォルダー名は内蔵Webサーバーとプリンターのタッチパネルのための名称で、PCのフォルダー名とは実はリンクしていません。但し、混乱を避けるためにPC上でのフォルダー名と同じにすることをお勧めしています)
    1. 先頭に「\\」と入力し、続けて共有フォルダーを作成したコンピューター名(あるいはサーバー名)、もしくはIPアドレスを入力します
      その後ろに共有フォルダー名を入力します

      TIP(Windows OSの場合): フォルダーのネットワークパスは、コンピューターに作成したフォルダーの上で右ボタンをクリックし、プロパティのメニューを選択します
      開いた画面で共有タブを開くとネットワークのパスを確認することができます

      例:\\PC_Mike3\FolderScan
      例:\\15.87.213.43\FolderScan

    2. 重要: コンピューター名を設定に利用して問題が発生する場合は、IPアドレスを設定します
      もしプリンターとネットワークフォルダーが異なるネットワークに属している場合、あるいはスキャナーにネットワーク経由でアクセスできるコンピューターのOSがWindows OSではない場合は、コンピューター名の代わりにIPv4のIPアドレスで設定する必要があります。また、IPv6ネットワークでは、IPv6のIPアドレスでも対応可能です
  4. ログイン認証のオプションは以下を選択します。
    • 以下の認証を毎回実施(常に次の資格情報を使用) : コンピューターのフォルダーにアクセスするときはユーザーアカウント名とパスワードが必要になります
    認証に必要とされるもの
    本製品がスキャンしたドキュメントやイメージを保存するためにネットワークフォルダーへアクセスするには、
    コンピューターが要求するユーザーアカウント名とパスワードを本製品へ登録する必要があります

    通常、手順.2で作成したローカルユーザーアカウント名が、ここで必要なユーザー名となります。
    通常、手順.2で作成したローカルユーザーアカウント名に設定したパスワードが、ここで必要なパスワードとなります
    補足:
    本製品に登録したユーザーアカウント名とパスワードは暗号化され、プリンターのメモリで保存されます

    もしユーザーアカウントがWindowsのドメインのユーザーである場合は、ユーザー名の入力欄にドメイン名も入力します
    例:ドメイン名\ユーザー名
    パスワードはドメインパスワードを登録することとなります

    セキュリティPIN番号のオプション(推奨)
    意図しないユーザーが本製品を操作し、ネットワークフォルダーにスキャンドキュメントを保存してしまうことを避けるため、4桁の数字でセキュリティPIN番号を設定することができます
    設定した場合、ネットワークフォルダーへスキャンドキュメントを保存する前に、このセキュリティPIN番号をプリンターのコントロールパネルで入力する必要があります
  5. スキャンの設定を行います
    ネットワークフォルダーに保存されるスキャンドキュメントは、以下で設定した内容に沿ってプリンターでスキャンされます
    • 原稿のサイズ : 自動のみ選択可能です
    • 印字濃度 : 1(明るい) - 9(暗い)の範囲で調整します
    • ファイル名プレビュー : 以下の設定に沿ったファイル名になります
    • ファイル名プレフィックス (スキャン中に編集不可): 日時、ユーザー名をファイル名の冒頭に挿入できます
    • デフォルトファイル名 : デフォルトのファイル名です。「ユーザー編集可能」にチェックを入れておけばスキャンの都度、変更することも可能です
    • ファイル名サフィックス (スキャン中に編集不可) : 日時、ユーザー名をファイル名の末尾に挿入できます
    • デフォルトのファイルの種類 : デフォルトのファイル形式です。「ユーザー編集可能」にチェックを入れておけばスキャンの都度、変更することも可能です
    • デフォルト色基本設定 : カラーもしくはモノクロを設定します
    • デフォルト出力品質 : 低い(小さいデータ容量)、中、高い(大きいデータ容量)から選択します
    • ブラックTIFF圧縮 : 常にG4の設定です
    • カラー/グレースケールTIFF圧縮 : TIFF6.0もしくはTIFF(6.0以降)から選択します
  6. 設定が有効になっているかを確認するため、保存とテストを押します
    以下のどちらかの結果になります
  7. もしテストが成功しなかった場合、以下を再確認します
    • 入力欄は全て適切に入力されているかを再確認します
    • プリンターがネットワークに接続されているかを確認します
    • ネットワークフォルダーを作成したコンピューターの電源が入っているか、正常に動作しているか、ネットワークに接続しているかを確認します
    • ネットワークフォルダーの共有設定が正しく行われているかを確認します
    • 手順.11で本製品に設定したものと同じログイン認証情報を使い、ネットワーク上の他のコンピューターからネットワークフォルダーへファイルを保存可能か確認します
    • 本製品とネットワークフォルダーのコンピューターが同じネットワーク(IPアドレスとサブネット)に接続しているか確認します
      もし同じネットワークに接続していない場合は、ネットワークルーターがCIFS(SMB)プロトコルで転送する設定となっているかを確認します
    ネットワークフォルダーが正しく共有され、アクセス可能な状態であるかの確認は、内蔵Webサーバーのテストボタンでいつでも確認できます
    補足:
    もしユーザーアカウントのパスワードが変更されたり、共有フォルダーを移動/削除すると、設定された ネットワークフォルダー/共有フォルダーは本製品からアクセスできなくなります 。また、ネットワークフォルダーの設定上限は最大10か所です